ソフトバンクの株式所有者、株主さんならご存知かもしれませんが、ソフトバンクグループの2011年の有利子負債は2.兆6千万円だったのが、2019年には15兆円にまで膨れ上がっています。
投資ファンドで躓いているという報道もありちょっと気になります。
有利子負債の金額はグループ全体の数字で、全部がソフトバンク本体の抱える有利子負債ではありませんが、どのぐらい深刻な話なのかちょっと紹介しておきます。
ソフトバンク・ビジョン・ファンド
ソフトバンク・ビジョン・ファンドは、2017年にソフトバンクの孫正義と、サウジアラビアのムハンマド皇太子らによって発足した投資ファンドで投資先や選別はソフトバンクが行っており、運用規模は10兆円超となっています。
主な出資者はPIF(サウシアラビアの政府系ファンド)が450億ドル、ソフトバンクが250億ドル、ムバダラ開発公社が150億ドル、Apple、クアルコム、ラリーエリソンが各10億ドルとなっています。
また、ソフトバンクがフォートレス・インベストメント・グループを共同買収したことで、更に8兆円の運用資産が上乗せされたとも言われています。
このビジョンファンドにサウジアラビアのムハンマド皇太子の名前が入っていることも投資に逆風が吹いているようです。
このムハンマド皇太子は、トルコのサウジアラビア総領事館で起きた、サウジ人記者の殺害事件に関わっていると報じられているからです。
この事件は領事館内で起きた殺人事件で、殺害された記者は以前よりムハンマド皇太子を批判していたと言われ、皇太子の命令により殺害されたのではないかとの見方があります。
もちろん、サウジアラビアでは関与を否定していますが、この手の関わりを嫌う人権意識の高い欧米では特に避ける傾向がありますから、不運としか言いようがありません。
そもそもベンチャー企業のバブルを引き起こしたのは、GAFA(Google Apple Facebook Amazon)などの世界を牛耳る企業が儲かりすぎて、余ったお金を投資に使おうとして、その投資先をベンチャー企業に向けたことによりバブルが発生したのです。
ですが、有望な投資先はもうほとんど残っていないのです。
食い尽くされたといっても良いのかも知れません。
ですが、ビジョンファンドのように大量の資金を集めてしまったら、どこかに投資しなければなりません。
運用実績によって評価が下されるわけですから、短期で高い収益を求められるのです。
今、ソフトバンクの危機として話題になっているのが、アメリカのシェアオフィス事業の大手のウィー・カンパニーです。
ビジョンファンドはこのウィーに投資しているのですが、ウィーは新規株式公開を9月に予定していたのですが、それが延期したとのことです。
それによって、ゴールドマンサックスはビジョンファンドへの融資枠の3300億円の一部を引き揚げることを検討しています。
ソフトバンクの孫正義は、このウィーは5兆円の企業価値があると言って1兆2000億円を投じてきました。
ですが、ここにきてウィーの創業者であるアダム・ニューマンのずさんな経営が暴かれて上場が延期になったのです。
孫正義氏はビジョンファンドの実績を今まで7兆円投資して、2兆円の利益が出たと言っていますが、この投資先の評価が下がれば利益も減るわけです。
なぜ、ウィーのようなシェアオフィスを手掛けるような事業内容に膨大な投資をしたのかが、専門家の間では疑問視されています。
なぜなら、シェアオフィスはインターネット事業のように儲けに上限の無い事業とは違い、持っているオフィスの数以上の儲けは無いわけです。
儲けに限界があるのにリスクが膨大な事業なのに、短期で高い収益を上げようということ自体難しいのではないのかというわけです。
ソフトバンク純利益1兆円でも法人税0円
更に危惧するソフトバンクネタがあります。
2019年、ソフトバンクグループが法人税を払っていないという報道です。
1兆円を超える純利益を出したという企業が、税務上は赤字となっていて法人税を払わなくても良くなっているのです。
ソフトバンクが買収した会社の株を、グループ内に譲渡する際に購入した価格より低くなったとして欠損として計上して赤字にしたのです。
実際はグループ内のどこも損をしていません。
会計上の欠損だけのことです。
税務会計上は赤字なので、法人税はありませんが、
財務会計上は過去最高益で孫正義氏の報酬は2億2900万円。
それにソフトバンクの株を2億株以上持ってますから、年間102億円の配当も出ています。
今の時代、世の中の富裕層は「企業の社会的責任」として世の中にお金を還元していくことが主流になっていて、名の知れた大富豪は大抵は「慈善家」になっています。
孫正義氏は、法人税も節税するほどヤバいのか?と思われても仕方ありません。
ソフトバンクまとめ
確かに、SVF(ソフトバンク・ビジョン・ファンド)は表面上は29%で回っています。
でも、これが本当に信用できる数字なのかは実際解りません。
どんどん投資をしていって走り続けなければなりません。
走っているうちは、29%で回っていますといっても通るかもしれません。
ファンドの実際は損があっても、利益の方があるようにも作れるのです。
すでに投資している80社が今後も株価を維持できるかも不透明です。
資金が少なくなってきたときに、追加でどこが投資してくれるのでしょうか?
けっこう難しいのではないでしょうか。
孫正義氏はベンチャーバブルの崩壊を乗り越え、新たな発展を遂げられるのか。
警戒しつつ、注目していきたいところです。
今後の時代の流れを読み誤ると、孫正義氏でさえもピンチに陥ることもあるのかも知れません。
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