先日、タクシーを利用した時の事です。
降りる時の支払いの前に運転士さんから「お支払いは現金ですか?それともキャッシレスですか?」と聞かれました。
タクシーは最近初乗り運賃が安くなったので利用する機会も増えたのですが、こんなことを聞かれたのは初めてでした。
ちなみに「キャッシレスでの支払いのお客さんは増えましたか?」と聞いてみましたら、
「最近急激に増えました。特に若い人たちはほとんどキャッシレスでお支払いになります。」
なるほど、確かに自分もキャッシレスでの支払いが増えています。
使用できるお店が小売店にまで波及していますから当然ですね。
交通機関もコンビニでもスーパーも確かにキャッシレスでの支払いで済ませています。
ポイント還元もいろいろとありましたからね。
とは言っても、まだまだ財布を持っていかなくても全ての用が足りるという訳ではありません。
それに、何種類ものカードを持ち歩かなければならないので面倒な気持ちもまだあります。
キャッシュレス時代の現状を探ってみました。
決済手数料が高い
まず、外食産業がキャッシュレス化にあまり積極的では無いという情報から解ったことは「決済手数料の高さ」です。
日本は決済手数料が高いのです。
日本では売上げの3.5~5%です。
これがアメリカだと1.5%程度、中国においては0.45%です。
韓国はカード利用が高い割に2%となっていますが、小売店の反発で今後下げる見通しです。
それに比べると日本はだいぶ高いですね。
現金の信頼度が高い分キャッシュレス化が進まないので決済手数料が高くなるようです。
キャッシュレス化を導入するには導入費用も掛かります。
ですが、導入することによって人件費の削減が見込めるということで導入を決めた店舗も多いようです。
現金のみの使用の場合、閉店後に「レジ上げ」もしくは「レジ締め」と言われる作業があります。
最後にレジの記録と現金の残高が合っているかを確認する作業です。
その後、翌日のおつりとしての細かいお金を用意するという作業も必要になって来ます。
それがキャッシュレスにするとその作業が無くなります。
確かに、その作業が無くなれば人件費削減の効果は大きいです。
ですが実際、完全キャッシュレスの店にしない限りは「レジ上げ」の作業やおつり分を用意するという作業は残ります。
さらに一部キャッシュレス化ですと、レジ上げの仕事以外にカード業者別に明細を整理してカード業者の明細と照合するという余分な作業が増えただけという結果になってしまいます。
つまり、今のところ人件費が掛からなくなった以上に、決済手数料を支払っているというのが現状です。
これでは、外食産業だけで無く小さな店舗ではキャッシュレス化にしたことで、負担だけが増えてしまっているのではないでしょうか。
決済手数料以外にも掛かる費用
実際にキャッシレスのお客様はほとんど来なかったとしても設備を入れたら掛かる費用があります。
カードリーダーのレンタル料とか、通信環境が必要ですからその費用も毎月一定額で掛かります。
この費用は、わざわざキャッシュレス化にしたものの、効果が出ないという時にも掛かってしまう、固定費になってしまうので馬鹿に出来ません。
手元に現金も必要
キャッシュレス化にするとその分レジにお金が入って来ません。
実際にその店に現金が入金されるのは、早くて2週間後です。
その間にもし急な出費があったりすると現金が手元に少なくなると困るという店もあります。
現金を使い市場で仕入れてくる場合だってありますから、店によっては現金を別に用意しなくてはならないこともあります。
キャッシュレス化のメリットは出ているのか?
キャッシュレス化にするメリットとして
①お金の管理が楽になりその分人件費も減らせる。
お金の照合や保管、移動など現金による手間やそれに関わる人件費が減らせるという訳です。
②キャッシュレス化に慣れた外国人観光客などの取り込みの機会が増える。
③客単価がUPする。
これはクレジットカードの場合ですが、現金で買うよりもお客様が購入を決心する可能性が高いようです。
実際はどうなのでしょうか。
①に関しては、完全キャッシュレス化にしない限りは店の負担が増えただけと思われます。
②に関しては、元々外国人の利用が見込めない店はもちろんその効果は期待できません。しかし、外国人の観光客を見込んでいる店がキャッシュレス化にしたら、外国人の利用客がダントツに増えました。
現金のみの取り扱いだけだと、どうしても持っている現金の範囲内の買い物しかしませんが、カードが使えれば高額な利用も出来ますから当然その効果は出ます。
③の客単価がアップするという効果はどうなのでしょうか?
今のところ客単価アップの傾向が出ているようですが、今後もそれが続くとは言えません。
なぜなら、利用客の収入が上がっているわけでは無いからです。
客単価がアップしているのは、利用者側が不慣れなだけで、今後慣れてきた場合は、出費の管理がしやすくなる。ということも分かるので、出費を抑える方向になる見通しが高いようです。
収入が増えないなら、出費を管理して徹底的に減らすということも、キャッシュレス化だと逆にやりやすくなります。
キャッシュレス決済を消費者が使い分けることも予想されます。還元率の高い時のみの利用をするという賢い消費者も増えるでしょう。
小売店にとって、しばらくの間我慢すれば負担が減ってメリットだけが残るのでしょうか?
いつまでも負担だけでは小売店はたまったものでは無いので、キャッシュレス化を止めてしまう店も出てくるかもしれません。
なにしろ決済手数料を下げることが最優先の課題のようです。
利用する消費者の不満
実際の利用者の不満として次のようなものが挙げられています。
・カードが何枚も必要で、あちこちのカードにチャージして使用しているが、久しぶりに行ってみたらその店が無くなっていた。
他の支店に行けば使えるのだが、なかなか遠くて他の支店には行けない。
・一回チャージすると最後の0円まで綺麗に使いきれないので、残金があるカードが何枚もある。
・クレジットカードを使えば、家計の管理もしやすいのだろうがクレジットカードは使っていない。
・便利になったとか得したと実感出来ない。
・現金のように目に見えてお金が減っていくというのが無いので使いすぎる
キャッシュレス時代本格化のまとめ
確かに目に見えてキャッシュレス化は進んでいるようです。
店側もメリットやデメリットを考える暇も無く導入したところも多いようです。
店側が決断した一番のメリットであったコストの削減はあまり思ったようには行っていないようです。
負担に感じている小売店も多いのが現状のようです。
今後、コスト削減して益々のキャッシュレス化が進むのか、それとも急激な伸びは一旦収まって緩やかな伸びに変わるのか?
まさか、キャッシュレス化が減って現金化には戻らないとは思いますが、何枚もカードを持たなくてはいけないという問題や、決済手数料が高いとかの問題は改善されていくのでしょうか。
まだまだ問題が残っているキャッシュレスの本格化といった感じです。
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