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ワークマンは作業員減で快進撃!社長小濱英之の経歴とフランチャイズ戦略

仕掛けた側のワークマンさえびっくりするほど成功した「ワークマンプラス」

低価格と高機能でもともと作業をする人だけでなく、アウトドアなどに利用する人も多かったので、そういう人用の店を作っちゃいましょということで始めたら、これが大ヒット!

シマムラは業績悪化でユニクロは好調とかのニュースが多い中、ワークマンが躍り出てくるとは思ってもいませんでした。

こんなところにも商機はあるものなのですね。

2019年3月期はチェーン店全店の売上高は930億円で前年比16.7%増しでしたが、今期はさらに大幅に上がる見込みで、売上高は1035億円を目標にしています。

2019年に新社長に昇格した小濱英之氏の戦略や思惑から、大きな商機はどこにでもあるという発想を学んでみました。

「ワークマン」といってもプロの作業員は減少中

日本全体の人口減でワークマンの作業着を着て働くプロの作業員も年々減っています。

ですから、既存の顧客層であるプロの作業員を相手にするだけでは、売上げアップの実現は大変難しい物になっていました。

ワークマンの作業着を使用している人の奥様方から、安くて丈夫で良いという高評価はもともとあったのです。

それに、バイクに乗る人や釣りが趣味の人などアウトドアの方にも防寒・防水の高機能を持つPB「AEGIS」の評判も良かったのです。

旦那さんにくっついて買い物にきた若い主婦が、防寒用の帽子とかを一緒に購入していくようになって、働く人ではない客層の広がりが出てきて、「ワークマンプラス」が開発されたのです。

時代的にもリーマンショックという大きな変化があって、作業着を支給してくれる会社が少なくなったことも有ります。

個人で買うとなるとデザイン的にも、若い世代はスタイリッシュな物を受け入れます。

ですから、ワークマンプラスはデザイン的にも注力しましたから、高機能・高耐久性でデザイン性も高くしかも低価格。

もともとワークマンは「作業着のユニクロ」とか言われていまして、値段はユニクロより低価格な設定のものが多いのでこれも売上げ拡大に結び付いたのでしょう。

ワークマンはフランチャイズで店舗展開しているのですが、ワークマンプラスは2019年6月の時点で21店舗です。

これは当初の計画を大きく上回り、このことにより既存のワークマンも同じ商品を取り扱っているので売上げアップに貢献しています。

また今までの既存のワークマンも改装することにより、想像以上に売り上げが伸びているとのことですから、今のところ昇り調子の勢いはかなり強いようです。

プロの作業員から不満の声の理由

元々ワークマンを利用していたプロの作業員の方からは逆に不満の声もあります。

男ばかりの客層でしたから、作業帰りの汚れた仕事着のまま買い物に来れたのに、女性客が多くなって店内も小ぎれいになって来づらくなった。

そんな声があるのも事実です。

店内の右半分と左半分を分けて、作業員用の品ぞろえと女性客用の品ぞろえとを分けたりして対応しているようですが、それで以前のお客様は納得してもらえるのでしょうか。

男ばっかりの店が懐かしい~との声に対してどう応えるのでしょうか。

この基本路線を安易に切り捨ててしまうと、ワークマンの元々の存在意義が揺らいでしまうことになります。

新社長小濱英之の経歴と業績

東洋経済 プロ向けの高機能・低価格で一般客をつかむ

1969年群馬県沼田市生まれ。

高崎商科短期大学商学科卒業。

1990年ワークマンに入社。

新社長に就任してのミッションは、ワークマンプラスの安定拡大で、1店舗あたりの売上げは平均で年間1億円でしたが、今は1.5億円にまで拡大しています。

それを最終的には倍の2億円にまで持っていきたい、と新社長の小濱英之氏は語っています。

今のところ20ヶ月連続で前年を上回っています。

ですが、最初から「ワークマンプラス」のように、新業態で挑戦しようと考えたわけでは無いと小濱英之氏は語っています。

最初は、客数を増やすためにPBを開発して差別化を図ろうと考えたのですが、客数は作業するプロの人が減ってきているのでそうは増えません。

そこで、客層を拡大することの方が効果的なのではないかという結論に至ったのです。

そこで、以前から作業員の御主人に付いて買い物に同伴していた奥様などの、女性客の商品も少しづつ置いてみたらこれが好評だったというわけです。

それで家族連れや女性客も多いショッピングセンターに出そうということになって、立川の立飛に1号店を出店。

最初の売り上げ目標は1.2億円だったのですが、この目標の設定は既存店が約1億円なので、ちょっと上乗せしての設定です。

ですが、オープンしてみたら大成功で目標を3億円に上方修正しました。

この効果は既存店にも波及していて、2019年3月の決算では1億1200万円にまで年商が伸びています。

前期からネット販売も始めていて、「G-ネクスト」シリーズというネットだけの商品を立ち上げて、商品の受け取りを店舗でも可能にしましたので、お客様を店舗に誘導しています。

ワークマンのフランチャイズ戦略

コンビニとかと違い、ワークマンは土地も店も本部がやってくれます。

売上げに応じて収入が増えるA契約の場合では初期投資は350万円。

標準店は敷地面積300坪で売り場面積が100坪。

1700アイテムの展開で売上げは平均1億1000万円。

1億円の売上げでしたら店長の年収は1000万円から1200万円となるとか。

なんと、今後はワークマンプラスだけの出店になるようです。

2025年には1000店が目標で年間30店から40店のペースで増やす予定です。

ワークマンの今後の戦略とまとめ

売り場面積100坪で売上げを2億円にまで上げるには、相当の戦略が必要です。

チャンスロスを産まないためには、在庫管理も重要ですから、需要予測発注のシステムにも強化しています。

商品は基本に戻って足元の品質へのこだわりも強化していきます。

さらに新しい商品開発も、廃盤の管理なども、常にお客様を飽きさせない事も重要です。

ワークマンなどのように作業服というニッチな分野を扱う店が、お客様の方から客層を広げてくれて、女性客やアウトドアなどに広がるという幸運に恵まれた企業といえます。

フランチャイズの企業で店舗展開に力を入れていますが、今のところ上向きの企業なので、立地の人口規模を下げても大丈夫なのではないかという議論をしているようです。

ワークマンと言えば、国道などの大通り沿いにあるものでしたが、最近ではショッピングセンターとかの出店もあり今までと条件が違ってきています。

ワークマン同士が競合になってしまわないように、充分配慮をして店舗展開しているとは思います。

しかし、フランチャイズはそこのところがどうしても曖昧で、半径何キロとかだけでは、くくれない事も多いです。

また、今の世の中はこの人気がいつまで続くか分かりません。

勢いのある時に波に乗ることも重要なのですが、潮が引くのを見誤ると岩礁に乗り上げてしまうものです。

当事者のワークマンでさえこんなに成功するとは思わなかったという大成功。

ですが、今の世の中それが怖いところで、調子に乗っているとあっという間に波が引きます。

世界進出などはどう考えているのでしょうか、ユニクロのように後に続きたいと狙っているのでしょうか。

どこまで拡大していけるのか、興味津々で見守っていきたいところです。

ひとりの消費者としては、ワークマンの商品は、コストパフォーマンスに優れ、釣りやキャンプ、寒いときなどにお世話になっています。

今後も時代に合った良い商品を、先回りして提供し続けていけるかがカギといえそうです。

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