有名人の名言

YKK吉田忠雄の名言 善の循環とファスナー世界一本当の理由

吉田忠雄の経営哲学でもある「善の循環」が今、国連の開発目標SDGsに一致し、とても近い考え方だと注目されています。

YKKと言えばファスナーの会社です。ファスナーでは世界シェア40%で世界一を誇ります。そのYKKの創業者が吉田忠雄です。

吉田忠雄の名言から経営哲学を学んで、今注目されている国連の開発目標SDGsとも同意?と、ファスナーで世界一になれた理由を探ってみました。

吉田忠雄の経歴

YKK創業者吉田忠雄 善の循環経営

1908年9月19日に富山県の今の魚津市で生まれ、魚津尋常高等小学校を首席で卒業しました。

知人の紹介で、中国貿易で陶器を扱う「古谷商店」にまず就職します。

仕事で中国に行っていた時に、満州事変が起き、さらに上海事変が起きます。

日本は中国軍との戦闘に突入し、吉田忠雄氏は命からがら日本人の居留地に逃げ込みます。

港では、一刻を争い日本に逃げ帰ろうとする人で溢れかえっていました。

その様子を見た吉田忠雄氏は「日本に帰るのも容易ではないな」と妙に腹が座ったと言っています。

店はほとんど閉まっています。

それを見て吉田忠雄氏は「みんな店が閉まっている中に開いている店があれば売れるのではないか?」と思いつきます。

そこで下関のトロール会社が冷凍の魚の処分が出来なくて困っている事を聞き出し、それをなんとか手に入れて売ることにします。

ですが、それを運ぶ手段がありません。

ようやく、みつけたところは高い運賃をふっかけてきましたが、今売らなければ意味が無いと思い、承諾して運びます。

吉田忠雄氏の読みが当たり、魚は飛ぶように売れました。

そこで東京の社長に「ツクダニ、ツケモノ、ナンデモイイカラシキュウオクレ」と電報を打って商品をかき集めその頃で20000円もの大儲けをしました。

この古谷商店にいたときに「ファスナー」なるものを初めて知ります。

その後、古谷商店は倒産してしまい、吉田忠雄氏は自分で会社を起こす決心をします。

その会社が「サンエス商会」YKKの前身です。

1934年、吉田忠雄氏はその時25歳、18歳と15歳の後輩を伴っての独立で、場所は東京の東日本橋でした。

倒産した古谷商店には、そのころの2000円分のファスナーが在庫として残っていました。

その代金は未払いのままの倒産となっていますから、その仕入れ元に行き交渉して、未払いになっている商品の販売をさせてもらえるようにしました。

それとともに、ファスナー自体の品質改良も試して製造もして行きました。

その当時のファスナーはまだまだ改良の余地がありました。

品質には最善の管理をして、不良品を出さないことにこだわりました。

出来上がった商品は、他のものに比べると高くなりましたが、品質の良さが評判になって行きました。

昼間は販路拡大の為、営業に歩き、夜はファスナーの生産という毎日が続きました。

その後、空襲で工場も焼け敗戦となり吉田忠雄氏は富山に帰り、従業員とファスナーを売り歩くところからの再出発をします。

アメリカ人のバイヤーの脅威

ある日、GHQからの紹介だと言ってアメリカ人のバイヤーがやってきました。

ファスナーを見て値段を聞いてきます。

1本9セントだと答えると、そのアメリカ人は持参してきたファスナーを見せて、これは1本7.4セントで売っても良いと言うのです。

そのころのアメリカではファスナーは既に全自動で生産されていました。

品質も良く、しかも大量生産できるのですからコストも抑えられています。

このままでは太刀打ちできなくなると、その時は本当に冷や汗が出たと吉田忠雄氏は当時の事を語っています。

吉田忠雄 機械化の導入

あのアメリカの安いファスナーが大量に入ってきたら、もはや生き残れなくなる。

早く機械を導入しないとダメだと強く思いました。

ですが、その事を業界に持ちかけても誰も賛同してくれません。

戦後の復興の時でしたから、作れば売れる時代でした。

何も高い機械を入れなくても、製造は人の手で充分だという見解でした。

そこで吉田忠雄氏は、独自に輸入をするしか無いと考え、輸入許可を取る為に通産省へ通います。

なんと2年半もの時間をかけ、やっと輸入許可を手にして4台の機械の導入をすることになりました。

YKKの資本金が19万8000円であったのに対して、機械の導入に掛かった費用は35000ドル、日本円にして1260万円です。

その内の1200万円は日本興業銀行からの融資でした。

この多額の融資を受けての高額の買い物は、大きな賭けでしたが、この選択が大成功を治め、圧倒的なシェアを獲得することが出来ました。

この成功の後、海外に次々と生産拠点を増やしていくことになります。

吉田忠雄YKKが世界一になれた理由

アメリカには「タロン」というファスナーのメーカーがあります。

一時期は、圧倒的なシェアを占めて独占的な地位にいたのですが、このメーカーは、品質向上などの努力を怠り、独占的なシェアであることで慢心し、ファスナーを使用する洋服や服飾品などの生産が海外に拠点を移していくのに、タロンは拠点を広げなかったのです。

こうしてタロンはシェアを縮め、そこにYKKが入って行ったのです。

何と言っても、月面を歩いた2人の宇宙飛行士が着た与圧服のジッパーはYKK製だったことは、もはや「タロン」の時代は終わったことを物語っていました。

YKKは機械導入に成功するや、次々と海外に拠点を構え、かたやタロンは海外進出も品質改良の努力も怠ったのですから、勝負は目に見えていました。

世の中の流れにうまく乗れた、運が良かったと言えるのかも知れません。

しかし今後は、中国などほかの国から高品質の製品が安価でどんどん出てくるでしょう。

でもYKKの強みは海外の利益を現地に投資することですから、中国のように海外に工場を作っても現地にお金を落とさない主義とは大きく違います。

吉田忠雄の名言

吉田忠雄氏の経営理念は世界が注目するほど凄いのに、割と知られていませんよね。

「善の循環」

他人の利益を図らずして自らの繁栄はないということで、海外に事業を拡大しても、「現地で生まれた利益は基本的に現地に再投資する」として、その土地に暮らす人々の利益を重視することで世界中に理解を得ています。

「本来株主は社員であるべきだ」

一緒に苦労してこの会社を作り上げていく人こそが株主の資格があるのであってお金があるから株主になるというのは違うのではないだろうか。

それが上場しない理由です。

「成果三分配」

利益をお客様と取引先と経営者とで分配して、お客様にも喜んでいただきまたこの商品を使ってみようと思ってもらうことができ、取引先にもお客様が喜ぶからと選んでいただき、経営者はさらに良い製品を作ることに使う事で世の中が繁栄する。

吉田忠雄と国連の開発目標SDGsが一致?

SDGsとは、 Sustainable Development Goalsの略で「エスディージーズ」と読みます。

国連の掲げる「持続可能な開発」とは、将来の世代の欲求を満たしつつ、現在の世代の欲求も満たすような開発の事で、つまり「今だけ良ければ良い」という今の人類の在り方では、未来は無いということです。

その為には、世界中から飢餓や貧困や差別を無くすことに皆で努力する土台を作ろうというわけです。

今の世の中は、ほんの一部の大富豪が何兆円もの資産を持っていて、その一方では飢餓や貧困で幼くして亡くなっている子供たちも沢山います。

最近は、そういう飢餓に苦しんでいるなどのニュースが少なく注目されにくくなっていますが、世界が注目してみんなで助けなければ、救われないのです。

その為に、目標が掲げられ世界が一つになって達成しようとしていて、全ての種類の人々や、政府、組織などなどが目標に向かって取り組みます。

国は法律にまで落とし込み、計画を立てて豊な国は貧しい国を支援しなければならないとしています。

飢餓や貧困を無くすだけでなく、質の高い教育を全ての子供たちにとか、安全な水とトイレを世界中にとか、エネルギーをクリーンにとか多岐にわたります。

要は子供たちの未来が今の大人のせいで暗い物にならないように、明るい未来がくるようにしましょうということです。

日本も、外務省がピコ太郎に依頼して替え歌のパフォーマンスをしたり、吉本興行がSDGsの歌とか作ってます。

経団連もSDGsの普及啓発活動をしていますし、大学なんかでもこの活動に取り組むところも増えています。

このSDGsの活動と、吉田忠雄氏の「善の循環」の理念が一致するのではないかと言うのですね。

利益をみんなで還元するとかをしていれば、一部の人だけでなくもっとみんなが幸せになるという考えです。

世界中に工場を進出して、その土地の人々が仕事を得て、貧困から脱出できて、また賃金を得られれば税金が納められ、教育や医療の設備も整います。

この吉田忠雄氏の理念に賛同して親交を深める世界中の財政界の中には、元アメリカ大統領のジミー・カーターなどもおりますからすごいことです。

吉田忠雄まとめ

洋服のファスナーなどは、洋服の一部であり重要性としては低いものの、品質が悪かったりしてファスナーが壊れてしまったりすると、その洋服も着れなくなってしまうという重要な要素です。

ファスナーは最終製品のほんの一部の部品ですが、その品質が悪かったりすれば、台無しになってしまう。

だから、品質を大事にして、信用を最大の武器として今までやってこれたのです。

そして「善の循環」を通して、利益を独り占めしないで還元していく精神がもっと世界中に広まって豊かになるといいですね。

最近では、非上場企業でありながら、最近では創業家以外の人を社長に据えて、非上場企業にありがちな創業家一族の経営も回避出来ているようです。

非上場でありながら、指名・報酬委員会も設置されています。

上場しない理由も、他の非上場の企業とは違いますね。

株は本来、働いて苦労した社員の物。

ですから、もちろん従業員持株制度があります。

全員が経営に参加している感じがいいですね。

日本のサラリーマンの中では、恵まれている部類の人たちなのではないでしょうか?

こういう恵まれた環境でも、不満が生まれるとすればどういうところなのか逆に聞いてみたい気もします。YKK社員の方々のご意見お待ちしております。

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