世界の科学者や発明家として有名な人を挙げれるとすれば誰の名前が浮かびますか?
「エジソン」もしくは「アインシュタイン」と答える人が一番多いのではないでしょうか?
「ニコラ・テスラ」という発明家をご存知の方は少ないかもしれません。
エジソンを超える天才科学者と言われながらも、安宿で孤独死という最後を迎えた人で、彼の発明は現代の私たちの生活にも密接につながっているような偉大な発明家です。
では何故、エジソンは歴史に残る偉大な発明家と言われ、一方で、ニコラ・テスラは葬り去られ孤独な死を迎えることになったのでしょうか?
もしかすると、発明の価値はそれがどれだけお金を産むかで決まるのかもしれません。
ニコラ・テスラの人生から大事なことが学べるので少し考えてみたいと思います。
ニコラ・テスラとエジソン
まず、ニコラ・テスラとはどういう人かというと、1856年にクロアチアで産まれ、幼いころから読んだ本は自然と丸暗記するような非凡な記憶力と、三次元となって脳裏に物事の仕組みが浮かび上がる特別な能力で数学の問題を解いては、教師を驚かせていました。
その後、1875年にオーストリアのグラーツ工科大学において、交流モーターの開発に取り組み独創的なアイデアを思いつきます。
エジソンが発明した白熱電球は直流を使用したもので、送電においての交流の優位性は理解したのですが、交流システムの構築は困難と考え、白熱電球のための電力供給を直流システムで構築しようと考えていたのです。
テスラは、エジソンに交流モーターのアイデアを見てもらおうと、渡米しエジソン社に電気技師として採用されますが、肝心の交流モーターは見向きもされませんでした。
エジソンは白熱電球を売る為に電力供給システムの整備を急がねばならず、すでに進んでいた直流システムを変えることはできませんでした。
そこで、テスラはエジソン社を辞めて自分で会社を起こしますが、資金不足で倒産し、日雇い労働者をしていた時期もあったようです。
ニコラ・テスラの交流システム
その後、ジョージ・ウェスティングハウスという著名な発明家でもあり資産家の援助を受けて、交流システム全体を一気に開発し、エジソンに挑みました。
エジソンの直流システムよりも、遠距離送電が可能なテスラの交流システムの方が優位という面を全面に押し出し、エジソンを脅かしました。
エジソンはそれに対抗しますが、シカゴ万博の電流システムの入札で交流システムが落札したことで、テスラ側の勝利が決まっていったのです。
こうして、テスラには巨額の特許料が入り、名声も研究資金も手にして一躍社交界の花形にまで登りながら、最後はなぜ安宿で孤独死になったのでしょうか?
ニコラ・テスラが落ちぶれた表向きの理由
テスラは、その後も数々の発明をしています。
「無線操縦システム」つまりラジコンですね。他にも「放電照明」これは蛍光灯のもとになったものです。
そこまでは良かったのです。
でもその後の発明が彼の運命を左右したのかも知れません。
なんといっても脅威の発明と言われながら実現にまで行かなかった「無線送電システム」別名「世界システム」と呼ばれる、無線で電気を送るシステムで、これが成功して世界に普及していれば、世界中のエネルギー事情は随分変わっていただろうと言われています。
なぜ、そんな天才的な科学者がその世界から消えて行ったのでしょうか?
それは、
・突如融資を打ち切られた事
・研究所が火事に会った事でしょう。
それまで資金提供をしていたJ.P.モルガンが急に手を引いたのには2つの理由が憶測できます。
1つは、もし無線送電が成功して実現してしまうと、銅の利権を持っていたモルガンが大きな痛手であること
2つめは、モルガンの令嬢と恋愛関係にあったが、その後、別れたことで怒りを買ったこと
と言われています。しかし、彼を消し去りたい本当の理由が、ほかにもあったのではないかと考えられています。それは、
ニコラ・テスラの世界システムが実現しなかった最大の理由
最大の理由は、
彼の無線送電システム「世界システム」は一言で言ってしまえば「誰も儲からない事」だからです。
私たちは、現代でも発電所から電線を通じて私たちは電気を買っています。エネルギーを買うことによって、莫大なお金が動くことになります。
でも、「世界システム」が実現していれば、ほとんどタダのようなものです。
お金が動かないということは、経済が回らないということです。
電気代がタダだったら「助かる」と思いますが、実際は電気代が有料なことで産まれている雇用も、送電線などの設備も必要無くなれば、その設備会社があることで産まれる雇用も無くなるわけです。
ですから、残念と思う反面、経済としてはそれもしょうがない事なのだとも思います。テスラのいた時代では、テスラの研究が進むことを望まない人が大勢いたからなのかも知れません。
どちらにしましても、テスラはそのご精神的にも病んでいき、忘れ去られて行きます。どんな科学者も、世界がもっと便利で良くなることを望んで研究をしてきたものだと思います。
ニコラ・テスラは、「発明というものの最大の目的は、自然を人類の必要に役立てながら、わたしたちが暮らしている物質世界を超える、精神の完全なる支配を得ることである。」という名言を残しています。
テスラのようにすばらしい発明であっても、その時代に求められていないものだったり、ノーベルのダイナマイトやまたアインシュタインの研究が原子力爆弾の開発に使われて、戦争の兵器になってしまったりと、科学者は人類がより豊かに幸福になるために研究を始めても、本来の目的とは違った方向に動いて行くことは歴史上よくある事です。
それはどういうことかと言うと、研究に融資をする側がどういう目論見であるかによるのです。
融資をする側は、それが将来的に多くの人が助かって幸せになるからといって融資をする人はまずいませんでした。資本主義社会では利益を生む事にお金を出すものです。
それは、資本主義ではある意味間違いではないのです。お金が動いて経済が回ることで人々の暮らしは成り立ちますから必要でもあるのです。
つまり、だれも儲からない研究、もしくはそれによって経済が回らなくなる研究は、それが人々にとって画期的なものであっても、やがて消されて行くのは運命だったのかも知れません。
これからの時代はどうなるか
現代の最大の発明ともいえるAIはどうでしょう。AIが人類に代わり、圧倒的に生産力を上げたり、効率化できたりで次々と人類の雇用を奪っていきます。
AIを導入し最大限に活用した企業は、やがて少人数の膨大な利益を生む団体になっていきます。ですが、その利益は人類全体に還元されることがあるのでしょうか。
AIに融資できた一部の人だけが儲かって、多くの人は雇用も奪われ生活が苦しくなっていき、貧富の差がますます拡大していく可能性があります。
ですが、もうだれもAIの導入を阻むことは出来ません。雇用を奪われた人は、どうやって生活をしていけば良いのでしょう?
誰も面倒を見てはくれないのです。テスラという科学者は天才で、決して悪ではありませんでした。でも、エジソンの時代にはそぐわず、仕事を奪われました。
テスラの発明した「世界システム」が成功して普及していたら確かに今とはだいぶ世界も変わっていたかもしれません。でも、世の中が彼を認めなかったからか、不幸にも孤独にこの世を去っています。
もし、ニコラ・テスラが融資をする側だったらどうだったか。ニコラ・テスラにお金があればどうだったかと考えずにいられません。あなたもわたしも、自分の仕事をし続けるためにも、やりたいことを自由にするためにも、まずは自分で希望するだけのお金を稼げることが大切なのだと思います。
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