ホワイト起業の特徴だらけの未来工業。
あなたは本当にこんな会社が実在すると信じられますか?
・残業禁止、1日7時間15分の労働時間。
・年間140日の休暇(有給を除く)。
・定年は70歳で60歳を過ぎても給料は下がりません。
・全員が正社員で、パートや派遣社員はいません。
・ノルマ禁止
・育児休暇は最長3年。
・ホウレンソウ(報告・連絡・相談)禁止。
・平均年収600万円超
・5年に一度の海外旅行は会社が全負担
・社員旅行でクイズ50問に全正解したら半年の有給休暇
岐阜県に本社を置く電気設備資材や給排水設備、ガス設備資材を取り扱っている「未来工業株式会社」という会社です。
2019年3月の決算では、売上高360億円。従業員数は連結で1200人を超える企業です。
このホワイト過ぎる会社の方針は、創業者の山田昭男氏の理念より生まれたもので、それでも「赤字なし」の「日本一社員が幸せの会社」と言われています。
山田昭男の名言
そんな山田昭男氏のホワイト過ぎる名言をご紹介したいと思います。
・バブルが崩壊したら、みんな正社員を派遣社員やアルバイトに切り替えてコストを下げようとしてるけど、だけどそれで会社が儲かるようになったのか聞きたいものです。社員をコスト扱いするなって話ですよ。
・私は名刺を新しく作るたびに裏を見て、また営業所が増えてるなあって思うぐらい(笑)うちは報告禁止だからね。必要だから営業所も作ったんでしょ。
・人間が人間を評価するのって必ず感情が入る。だから付け届けとかして給料上げてもらおうとする。だからうちは給料はみんな平等と決めてる。
・ムチ(鞭)が無くても社員は動く。それを知らないのはムチ(無知)な上司だけ。
・日本企業のほとんどが経常利益を4千万も上げられないという時代です。よそと同じことをしててもしょうがない。「最後発でも勝たなきゃいかん」を信念に差別化すれば中小企業だって大企業に勝てる。
・どうしたら売れるかだって?お客様が満足するものを売れば売れるんです。
・中小企業には「人・物・金」全てありません。社員のやる気1本立て興業です。
・いちいち上司のお伺いなんて立てる必要はありません。そんなことをしていると自由な発想も自主性も無くなってしまうんです。
・社員に任せすぎて失敗したことがあるかどうかなんて「報告禁止」なので知りませんが、休日も多くて労働時間も短かいし、上司への報告も禁止になっているといいかげんなことなんて出来なくなります。限られた時間で成果を上げるために必死になるもんです。
山田昭男の経歴
1931年10月7日生まれ、2014年没
中国の上海で生まれ、旧制大垣中学校を卒業後は家業の山田電線製作所に入社。
家業の傍ら演劇にも熱中して劇団「未来座」を主宰し、演出家としても活躍しています。
1965年に劇団仲間と未来工業を設立しました。
1991年には名古屋証券取引所2部上場させた他、12の関連会社をホールディング化しています。
常に独創的な発想で、創業当時は松下電工の天下であった電材部品の業界の中で、「他でやっていないことをやろう」と常識への挑戦をしていきました。
突破口は電気コンセントで、使い勝手も良くしかも現場で工事をする職人が取り付けをしやすいように工夫されたものでした。
松下電工の天下はすさまじく、全ての部品を製造されていました。
そこに入り混むことは困難でしたが、現場で取り扱っている大工や職人の意見を受け入れて、少し割高であっても価値のあるものを作っていきました。
コンセントの成功で、コンセントにおいてはすぐに反撃されてしまいましたが、これによって得られた信用で少しづつ新たな商品を受け入れてもらえるようになりました。
ホウレンソウの禁止
どこの会社でも「ホウレンソウの徹底」を掲げる中、ホウレンソウの禁止とはユニークです。
理由は、「自分で考えてやれ」という自立心を育てるためだそうです。
上司が部下に命令して人を動かすというのも良くないことだとして、部下は上司を説得させる力をつけさせるのに効果的のようです。
確かに、報告・連絡・相談をするということは、責任逃れの一環にすぎないとも言えますから、ホウレンソウを禁止するということで自立心は育ちます。
ですが、企業はいろんな社会情勢もあるなかでリスクの回避上、ホウレンソウの徹底を推奨しているのです。
ホウレンソウの禁止って結構企業としては勇気がいる決断です。
報告・連絡・相談の禁止により発生した問題は、最終的に会社が責任を取らなくてはならないのです。
相談も出来ないとなると確かに自立心は育つでしょうが、社員はそれなりに大変かもしれません。
ノルマ無し
ノルマ主義をやめたから倒産したという会社なんてないのだと山田昭男氏は言っています。
営業ノルマを一切廃止することによって、社員は失敗を恐れないで挑戦することが出来るようになります。
挑戦は学ぶための大きな機会になるわけです。
信頼や期待が根底にあると人は頑張れるものです。
売上げ第一で成果主義にしてしまうと、信頼関係が失われてしまい、本当に心から「頑張ろう」という気持ちが育たなくなると山田昭男氏は言っています。
「管理しない」「教育しない」「強制しない」主義
未来工業はこの3無い主義で社員を育てます。
管理すると、自分で考える力が育たない。
教育すると、教えられたことしか出来なくなる。
強制すると、自分の力を発揮しなくなる。
つまり「指示待ち社員」にしたくない。自分で考えて行動する人材を育てたいのですね。
でもなかなか企業でこれを実行できる会社は少ないのではないでしょうか。
良い商品は安く売らない
良い物を安くは「安売りの過当競争」になるだけだと山田昭男氏は言っています。
良い物は価値をつけてそれなりの値段で売るのは当然。
それでないと会社は儲かりません。
他には無い物、使いやすい物、喜ばれる物を作ってそれなりの値段をつけて売るのが当たり前。
業界によっては1兆円を超す企業がいくつもあるけど、その一部のシェアをいただくだけでも凄い企業になれるのです。
まだまだ工夫の余地というものがあります。
経済や日本の見通しが暗いなんて間違っても考えちゃいけないと山田昭男氏は言っています。
山田昭男の考える社長の役割
社員がどうすれば力を発揮できるのだろうか?
発揮できる場所をどうやって作るのか?
どうやったらお客様に感動してもらえるか?
どうやったら社員が喜んで頑張れるのか?
そんな事を考えることが、山田昭男氏の考える社長の役割だそうで、実際実行してきました。
その考えが間違っていない事が実績を見れば分かると思います。
常に考える!
自分で考えることを習慣づける仕組みを作ることが大事だと山田昭男氏は言っています。
工場内のあちらこちらに「常に考える!」と貼られています。
それが未来工業の人材教育の方法です。
「何故?」を考えて、自分で行動することに意味があるし、やりがいも生まれると山田昭男氏は言っています。
山田昭男まとめ
社員の喜ぶ顔が見たいという気持ちと、演劇で観客が感動する顔が見たいという気持ちは似ているのかもしれません。
役者は一度観客を感動させると、それが病みつきになって辞められないと言いますが、それに似たところがあるのでしょう。
人を感動させたいという方が経営者になっている会社の社員は幸せだと思います。
未来工業は80もの社員のサークルがあって、補助金として年間1000万円の補助金を出しています。
これも、社員が楽しく幸せにいられるようにとの社長の考えなのでしょう。
ただ、未来工業以外で働いたことのない人はこの会社のありがたみが理解出来ないかもしれません。
こんな会社は他にはそうありません。
一回未来工業を辞めた人が再び未来工業に戻って来ることも珍しくないようで、歓迎もされるとか。
戻ってきた人は、やっぱりこの会社が良いと言ってありがたみが理解できるというものです。
残念なことですが多くの人は、一度不幸を味あわないと幸せの価値が解らないものです。
健康も失ってから、健康のありがたみを実感するという人はとても多いです。
幸せの価値の解らない人が増えると、不平不満も出てきてしまいます。
未来工業で働く人たちは、その環境をこれからも続けられるようにしてほしいですね。
亡くなった山田昭男氏もそう思っていると思います。
これからの世の中、未来工業のような会社が、そのままの状態でみんなが働けて、しかも利益を出し続けるのは本当に難しい事です。
しかも株式を公開していますから、売上げや利益が落ちれば株主は「いつまでもそんな甘いことを言うな」と怒るでしょう。
株主を納得させるためにも、売上げや利益の確保は優先させなければなりません。
利益を出しつつ社員が幸せになり、社員が幸せになり利益が出るという良い循環になっているのでしょう。
社員やアルバイトなど雇っている人はもちろんですが、一人でやっている副業、ネットビジネスでもお客様に喜ばれる仕事をしていきたいものです。
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