モチベーションを上げる魔法はあるのか?社員の「モチベーション」この目に見えないものが、会社の業績を大きく作用します。どこの経営者も「社員のやる気を高めて業績を上げたい」と悩んでいます。
この「モチベーション」に日本で初めて着目してコンタルティングの会社を作ったのが小笹芳央(おざさよしひさ)、株式会社リンクアンドモチベーションの創業者です。
仕事だけでなく、生きていくにもモチベーションは大事です。AIと違って人間は、感情に左右されます。モチベーションが下がれば、当然自分の能力を出し切って仕事をしません。
自分の仕事が、生きていく為の金銭を得る場所と割り切って働くならば、モチベーションが低くても与えられた仕事のみをこなして、給料を貰うという生き方も確かにあります。
でも将来は起業したいとか、この仕事をステップにもっと上を目指したいとか「目標」があればモチベーションが高くなり、仕事面でも人間面でも成長します。
どうせ働かなければならないなら、モチベーションを上げて働いた方が、会社も助かるし、自分も成長します。
このモチベーションという目に見えないものの正体を、小笹芳央氏の名言から探ってみたので紹介します。
小笹芳央の名言
まず、小笹芳央氏の言葉から、モチベーションの答えを探ってみましょう。
・社員は家族じゃない、投資家だ。
社員と苦労を共にして、築き上げたものがあると社員は「家族だ」とか「同士」だとか勘違いして思う事がありますが、社員は「投資家」なのです。
ですから社員が、「来月も、来年も自分をこの会社に投資する価値が無くなった」と判断すれば辞めて行きます。
むしろ個人のモチベーションは高いから辞めるという人もいるというわけです。
・あなたの会社は社会に伝えたいことはあるのか?
他の人が儲かったからってそれを真似しても成功するわけではありません。
自分が本当に心の底から社会に伝えたいメッセージは何なのかを考えて、それが独自性があって、また共感されることであり、時代にも合っているのでなければ、その事業は発展しない。
社員のモチベーション以前の問題なのです。
・新卒社員が成長したかったら、まずは「優秀な下っ端になれ」
たとえば宴会の幹事ひとつ引き受けるのでも、みんなに満足してもらえる宴会にしようと思えば大変な事です。
みんなの料理の好みや、お酒の量、時間帯、予算などなどいろんなリサーチが必要となってきます。
そんな仕事も積極的に引き受けて、先輩方を驚かせて喜ばせる宴会にしようとすることです。
最初のうちはこんなことでも認められるとモチベーションが上がります。
・若いうちは「ワーク・ワーク・ワーク」でいい。
最初からプライベートの時間が取れるかなんて考えて働くのなら、「あなたの将来の目標はなんですか?」と聞きたくなりますよね。
まずは、徹底的に働いてみるというのはどうでしょうか?
それで、仕事量が増えてもそれを効率よくこなしていくコツも身に付きますし、自分の限界を知っておくのも大事です。
最初のまだ希望で胸を膨らませてモチベーションが高いうちに、自分の能力を最大限だして自分を知っておくのも大事です。
・自分で自分を正しく評価する。自分をひとつの会社として見ることによって、客観的に自らの市場価値を評価する、そして成長していくように自身で自分を経営する。
そうすることで、自分のモチベーションが左右されなくなります。
・自分が成長したかったら、ベンチャー企業に入れ。
大企業に入社すると、どうしても「入社させてもらった」という意識になって「受け身」になりがちですが、ベンチャー企業は自分で選んだという意識になりますから、もっとこの会社に貢献したいと思って、すすんで仕事を覚えて取り組むようになります。
ですからモチベーションが高い人がベンチャー企業には多いのです。
・早く上に行きたいと思ったら、社員の平均年齢を見る。
平均年齢が40歳台だったら、今後10年たっても活躍している先輩が多いでしょうから中々上に行けません。
逆に50歳台なら、10年後には退職している可能性が高いから上に行ける可能性があるということです。
上に行ける可能性が低くてはモチベーションが上がりません。
・離職率が高い会社はダメということではない。
離職率が低いという会社は「居心地がいいから社員が辞めない」つまりヌルイ会社ということもあります。
そういう会社は会社そのものの存続が厳しいこともあります。
逆に離職率が高いという会社の中には若手の競争が激しくて辞めて行くという会社ならば、そこの会社で仕事をするというのは大きな成長も期待できることがあるのです。
会社の将来性が低くては、やがて自分のモチベーションも下がってしまいます。
小笹芳央の経歴
1961年5月に大阪にて生まれます。
大阪府立住吉高等学校を経て、早稲田大学政治経済学部を卒業します。
就職活動で、大手の金融機関や総合商社に内定をもらってはいたのですが、一番最後に内定を出してくれたリクルートに入社することに決めます。
その理由は、人事担当者がとても丁寧に対応してくれたことと、そのころのリクルートはまだベンチャー企業で、社員の平均年齢が25歳だったので、入社して2~3年で中堅になって活躍できると思ったからだそうです。
入社後配属されたのは人事部で、採用の仕事などで何千人という学生と向き合い話すうちにコミュニケーションのスキルも高まったと小笹芳央氏は言っています。
その後、組織人事コンサルティング室長や、リクルートワークス研究所主幹研究員などを経て、人と組織に関することを学びました。
その経験から、一つの事に気付きます。
どの経営者も、「社員のモチベーションを上げて、会社の業績に繋げたいがどうすれば良いのか」という問題です。
コンサルティング事業といっても、戦略であったり、IT化の指導であったり、お金の側面での相談であったりとかが一般的ですが、このモチベーションというテーマに関して対応できるコンサルティング会社はありませんでした。
それで、このニーズに応えられれば事業になると起業を決心します。
そして、2000年に株式会社リンクアンドモチベーション設立しました。
最初は手探りで、一社一社に対応していくしかありませんでしたが、半年で、モチベーション状態を診断するツールを完成させて、診断結果により対応していくというビジネスモデルを確立できました。
なぜモチベーションが上がらないのか?
人間とは感情で動く生き物です。
人には、「認められたい」という承認欲求や「役立ちたい」という貢献欲求、「成長したい」という成長欲求があります。
またさらに「まわりの仲間と上手くやりたい」という親和欲求などがあるのです。
これは、会社などの組織においてでも、学校や生活環境の中にでもあることで、これが満たされないと会社を辞めたり、生きていく意味を失ったりする大事な事なのです。
社員の人たちのそうした欲求を満たしてあげることも社員のモチベーションを上げるのには重要なのです。
社員は、金銭的な報酬だけで仕事に満足してモチベーションを上げるわけではないのです。
ですから、企業はこの人間が持つ仕事に対する欲求にいかに応えるかで起業の成長も決まって来ると小笹芳央氏は言っています。
人間の能力というものは、その人の意思ひとつでとてつもなく上がります。
本人が、これが自分の100%と思っていても、状況でその倍以上もの能力を出す場合もあるのです。
ですから当然、その人の持つ能力を最大限に出した仕事と、能力の半分も出さないで働いている人の仕事では大きな差が出ます。
大抵の人は、入社当初は「承認欲求」から自分の能力を多めに出します。
そして、「貢献欲求」や「成長欲求」などが、その会社で満たされるのかを判断していくわけです。
そして、その欲求が充分に満たされる会社だと判断すれば、能力をフルに出して働くでしょうし、また逆にこの会社は長くいても満たされないと判断すれば辞めて行くでしょう。
一番厄介なのは、満たされないと判断しつつも、給料が良いとかの理由から辞めない人がいる会社です。
こういう会社ではたいてい「親和欲求」だけ満たされています。
つまり、会社には希望を抱いてはいませんが、周りとの人間関係だけが楽だというわけですね。
こういう会社では、仕事では能力を出さずにダラタラと働くので業績は上がりません。
それで、経営者は社員のモチベーションを上げたいと思う訳です。
社員のモチベーションを上げるには?
こういう時は、もちろん先ほどの「承認欲求」や「貢献欲求」や「成長欲求」などの欲求を満たすことも大事なのです。
ですがその前に、そもそも会社自体が「会社の社会に対する存在意義」があるかどうかから見直さなければなりません。
社会に対して存在意義があり、社会の為にも発展していく必要がある会社であることを、先に充分社員にアピールして理解させることで、まず働く人がそこで働く意義が芽生えます。
そうした上で、感情的な欲求を満たしてあげれば、モチベーションが上がってその結果として業績も上がるということに繋がります。
AIロボットでしたら、プログラムしたことは出来るでしょうが、それ以上の事は出来ません。
でも、人間は感情的な生き物ですから、これを上手くコントロールできて能力を最大限に引き出せたら、それは会社にとって限りない戦力になるのです。
まず、誰でも自分の能力を過小評価しないでください。
まだまだもっともっとあなたの能力は高いはずです。
その上で、あなたは来年も自分をそこの会社に投資しますか。よく考えてみてください。
小笹芳央まとめ
「モチベーション」という目に見えないものが、会社の業績を実はとても左右しているということに気付き、そのコントロール方法を事業にしようと思ったのは着眼点が鋭いですね。
診断ツールを使って視覚的にしたことも面白いです。
一時、このモチベーションを上げさせるために、自己啓発のセミナーが流行ったりしましたが、方向違いもいいところというようなセミナーが多かったです。
個人の問題ばかりでなく、欲求に応えられない会社に大きな問題があることを気づかせてくれるのは、働く人にとっても意義があることです。
モチベーションを上げて仕事が出来れば、生産性も上がります。
日本の生産性の低さは、休まないことが社会的に認められる無意味な長時間労働とともに、もしかすると働く人の欲求を掴めていない会社側に大きな問題があるのかも知れません。
「働き方改革」とか言いますが、まず人間の感情問題から企業や、チームリーダー、副業で外注さんを雇っている方などは勉強する必要があると思われます。
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