「キッザニア」という子供向け体験施設を実現させた住谷栄之資(すみたに えいのすけ)の名言は、子供の未来明るくしようというものに満ちています。
住谷栄之資氏の名言から「子供に体験させることの大切さ」や、「キッザニア」を日本で始めることになったいきさつ、それにモーターショーでのコラボは子供に何を期待しているのかなどを調べてみました。
住谷栄之資の経歴
1943年和歌山県田辺市生まれ。
小学生の時に大阪に引っ越しますが、夏休みのたびに和歌山に帰っていました。
母親の実家が網元だったので遊び場といえば海でした。
今考えれば危険な遊びだったと反省しているようですが、台風が近づくとワクワクして、打ち寄せる大きな波めがけて飛び込むのが好きだったとか。
海は大荒れでも、海底は静かでその動と静のギャップを征服しているような気持ちだったと住谷栄之資氏は語っています。
中学からは箕面中学でサッカーをしていましたが、地域の人口増加でサッカー仲間と別々の学校になってしまい、そこでサッカーを辞めて水泳に鞍替えします。
高校は大阪府立池田高等学校に入学。水泳部がなかったので水球部に入部します。
そのころの大阪には水球部のある学校は少ないし、池田高校は水球が強かったので、国体やインターハイに何度が出場しました。
大学は慶応大学の商学部に入学しました。
もちろん水球漬けの4年間で、全日本代表メンバーにも選ばれました。
ですが、4年の就活が始まる直前に水球部の監督との間に問題が起きます。
当時、住谷栄之資氏はキャプテンを務めていたのですが、監督のやり方に納得がいかず抗議したところ「退部しろ」と責められました。
それに反論して住谷栄之資氏は「監督こそ辞めるべきです」と反論したのです。
当時、退部するということは学校も辞めなければならないような時でしたから、もうじき卒業の住谷栄之資氏も必死でした。
今なら、パワハラとかで大問題になっていましたが、当時は監督の言うことは絶対服従のような時代でした。
OBの方が間に入ってくれてなんとか収まりましたが、監督からの許しを得る為の条件は「頭を丸める」というものでした。
ですから、住谷栄之資氏は当時としては丸坊主という異様ないでたちで就活をしたわけです。
住谷栄之資氏は藤田観光に無事就職して、3年目に瀬戸内海に浮かぶ「直島」という島の開発担当に抜擢されました。
なにも無い島に、道路から始まり、電気・ガス・水道・電話などのインフラを構築し、桟橋の造成を交渉し、一つの街を造っていくという体験もできました。
株式会社WDI時代の住谷栄之資
入社して3年たったある日、水泳部の先輩から起業の誘いを受けて独立を決心します。
株式会社WDIの設立です。
高度成長期の日本でしたから、時代の後押しもあって色々なビジネスを手掛けます。
海外旅行の手配からボーリング場それにダイヤモンドの輸入なんかもしました。
1972年に「ケンタッキー・フライド・チキン」のフランチャイジーとなって六本木店をオープンして、そこからWDIは外食事業が柱の事業となりました。
当初は、外食産業なんて儲からないからやめとけと周りから反対されましたが、蓋を開けてみれば大成功。
その時代はアメリカに対する強い憧れがあったからです。
それに、どこの店舗に行っても同じ味のフライドチキンが食べられる。
しかも、旨さの秘密の香辛料は、素人には出せない味でたちまち大人気になりました。
次に目を付けたのは、カジュアルダイニングのブームが来ると踏んで「トニーローマ」そして、「スパゴ」「ハードロックカフェ」「カプリチョーザ」とライセンス権を取得して店舗展開していきました。
住谷栄之資は定年退職後にキッザニア
そして2003年、60歳でWDIを定年退職。
悠々自適の老後を送ろうか、いやまだ何かしたいという今後の生活を考えていた時でした。
アメリカ人の友人からメキシコに面白い施設があるという話は聞いていました。
それが「キッザニア」です。
その後、キッザニアの創始者のハビエルロペス氏が日本にきた際に会って、写真を見せてもらったのです。
「これは面白い」住谷栄之資氏は直観しました。
そして1ヶ月後にメキシコのキッザニアを見学するために現地に飛びました。
ハビエルロペス氏も、住谷栄之資氏がそんなに早く来るとは思っていませんでした。
実はアメリカのシアトルでイチローと松井の世紀の対決があったので、観戦に行ったついでだったのです。
1日がかりで見学して、「これは面白い。イケル」と思ったのですが、60歳の自分よりも実際に日本の子供たちの反応が見たいと思いました。
それで、その年の7月に4歳と7歳の孫を連れて再び訪れます。
すると孫たちはそこで目を輝かせて楽しみます。
しかも2日連続で、オープンの朝10時から閉館の6時まで。
一度も「もう帰りたい」と言わなかったのです。
言葉が通じないのにも関わらずです。
「これはイケル」が確信となって、2004年にKCJ GROUPを設立します。
そして、2006年に日本第一号の「ギッザニア東京」のオープンとなるわけです。
日本では2006年、豊洲に「キッザニア東京」が出来て、2009年には「キッザニア甲子園」そして今後名古屋と福岡にも進出する予定です。
KCJ GROUPが運営していて、体験型商業施設の企画・開発を行う会社なのですが、そこの創業者でCEOが住谷栄之資氏です。
2018年にKDDIが株式の過半数を取得し、KDDIの連結子会社となっています。
2019年のモーターショーでは世界初コラボになる「東京モーターショー2019」も開催しています。
住谷栄之資の名言
日本の未来を創るのは子供たちです。その子供たちに込める思いが住谷栄之資氏の言葉の中にはいっぱい詰まっています。
・自分の将来像、いわゆるキャリアプランをなるべく幼いころから持つことが大切。
・子供は大人から与えられた環境の中ばかりにいると、自分で物事を考えなくなってしまう。
・世界中のどこに行っても、誰とでも話が出来て、どこの国の食事でも食べられ、どんなところでも眠れるという大人になってもらいたい。
・子供のうちから職業意識を身に付けると、その仕事をするためには何を学ばなければいけないとか、どんな資格がいるとかを考えて進むことが出来る。
・日本人には苦手とされる、深く考え、周りとコミニケションをとりながら大事な事を伝え共用するということを、遊びの中から身に付けてほしい。
・将来の日本は人口減少やAIの進化などで、仮想現実により創造する力が衰え、コミュニケーションの取り方も今より難しくなるでしょう。
・未来の日本では、体力・知力はもとより、思いやりやコミュニケーション力、そして五感があるという、きちんとした「人間力」が身についた人でないと生き残れません。
子供に体験させることの大切さ
日本の人口減少は止まりません。
このまま行くと、50年後には8600万人にまで減ると言われています。
出生数も減り続けて、年間100万人を割っています。
日本の未来を創るのは子供たちです。
今いる全ての子供たちが大人になって日本を担って行くのです。
益々少なくなっていく子供たちは、かけがえのない日本の未来を担うのです。
大変な世の中になることは簡単に想像できます。
そんな中でも、子供たちは逞しく、優しく、幸せになってもらいたいものです。
それには、早くから自分で将来を考えるという習慣が大事です。
今の大人たちが想像しているような未来がやってくるとは限りません。
やれ塾だの、良い大学だのと言っても何が正解なのか答えの無い世の中だからです。
昔は、一流大学に行って、メガバンクや商社に就職することが成功の早道だと思われていました。
でも、今はメガバンクや商社の将来は暗いと言われています。
成功とはなんなのか、幸せとはなんなのかを子供のうちから自分で考えて目指せるような世の中が大事だと住谷栄之資氏は語っています。
その為には、キッザニアのように自分自身が体験できる機会を子供に与えてあげるということも、大人が子供にするべき大事な事なのかも知れません。
「体験」という経験は、読むことや聞いたことよりも記憶に残ります。
小さな体験が大きな興味になって、自分の未来を自分で作っていくことが大切なのだということです。
キッザニア
キッザニアは今、世界中に次々とオープンしています。
日本で最初にオープンした時は、まだ世界で3番目でしたが、今では2018年までで26施設。
今後オープン予定も2019年を含めて、2022年までの予定で10施設あります。
日本のキッザニアでは、集英社がスポンサーになって、漫画の描き方を教えるパビリオンとか、寿司職人体験などもあります。
食べ物関係は食品アレルギーの事も考えて、予め親御さんとの話し合いの上参加できます。
ジョンソンエンドジョンソンがスポンサーの病院のパビリオンでは定員3名が手術服を着て、腹腔鏡手術体験までできます。
これは医師のインターンと同じ体験が出来るわけです。
白内障の模擬手術まで体験できます。
警察署も裁判所も消防署もあります。
働いた体験をすると、施設内で使用できるお金が貰えます。
施設内にはデパートもありますから、そこで実際に買い物の体験もできます。
英語での体験プログラムもありますから、外国からの参加者も増えています。
キッザニアと東京モーターショー2019でのコラボ
東京モーターショー2019でキッザニアとコラボして、車関連の職業体験が出来るというプログラムがありました。
ファミリー層の拡大を狙ってと運営側は言っていますが、深読みするともっと色々ありそうです。
今、車社会は大変革の時代です。
若い人は車に興味を持つ人が減っています。
車を所有する時代では無くなっているからです。
でも、車は移動手段としても優秀ですし、ドライブや旅行の楽しさも忘れてはいけません。
今いる子供たちは、これからの車社会を作っていく人になります。
もっと車の事を子供のころから知ってもらって、どんな車社会にしたいのかを考えてもらいたいのでしょう。
将来の人材確保にも役立つかもしれません。
それに、AI主導の移動手段の乗り物では無くて、トヨタが言うように、人間主導の「Fun to drive」も残すべきなのだということも知ってもらいたいのかも知れませんね。
住谷栄之資まとめ
住谷栄之資氏は、前職は定年退職で退いています。
これは、後に続く人に道を開けるという気持ちだからだったと住谷栄之資氏は語っています。。
60歳では、まだまだ何か出来る歳ではありますから、そのまま埋もれるのはもったいなかったです。
定年後に起業というのは、様々な問題もあったことでしょう。
実際問題として会社の存続や、後継者問題がそう長くない未来に来るのですから、若い人の起業とはだいぶ違ったと思います。
でもKDDIの連結子会社になりましたから、そういう問題も解消させたのかも知れません。
「子供たちの未来を考える」という社会性意義はとても大きく、もう政治だけに頼れる世の中でも無いですから、子供たちの未来を今いる大人みんなが考えるのは大事な事です。
子供たちの明るい未来を夢見てもらいたい。
色々なことを自分で考えられる大人に育ってもらいたいものです。
定年を過ぎても、子供たちに夢を与える住谷栄之資氏は見習うべき大人といえますね。
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