ベーシックの秋山勝氏はイノベーションの捉え方が実に上手です。だからM&Aにおいても入り方も引け際も上手いのでしょう。
イノベーションとは「革新」。新しいものを創造し、それによって社会や経済に変革をもたらすことです。
その理由は、現代がどういう時代であるかが分析できて把握できていることです。だからある分野のここの部分にイノベーションが起こると見えてきて解るのです。
それは、自分の固執との戦いでもあると秋山勝氏は言っています。
必要ならば、それ自体がかつてはイノベーションを起こすほどのすばらしいものであったとしてもさっさと捨て去る。
どんなにお金をつぎ込んで、将来性も確信して始めたことで、今まで大きな利益を生んでくれたものであったとしてもです。
かつてデジカメが世に出てきたときには、それはイノベーションを起こし誰もがデジカメを買い、大きさもコンパクトになって旅行に持っていくのも楽になったと喜んだものでした。
でも、今デジカメを持ち歩く人はいません。あなたはデジカメ持っていきますか?
多くの人はスマホのカメラで充分になってしまっています。
このように世の中は次々とイノベーションが起きて、移り変わるものです。
ですから、デジカメの製造やその関連事業のように、かつては利益を生んだものでも、いつまでも固執してしまえば身を滅ぼします。
イノベーションが起きる事を早めに察知して切り替わることが重要です。
今、かつてないほどのイノベーションが起きようとしています。
秋山勝氏のイノベーションの捉え方を探って、生き残り方を学んでみたいと思います。
秋山勝の経歴
1972年東京都で生まれます。
中学時代は肥満児で、身長がまだ低いのに体重は80㎏を超えていました。
テストも0点ばかりでしたから、いじめの対象になりました。
太っていたから運動も出来ないし、勉強も出来ない。
いじめの対象になりやすい背景だったのです。
学生生活のいじめ克服体験
でも、そのいじめられる日々の中で自分なりに客観的に分析してみました。
「いじめ」には、いじめている人とその取り巻き、それから無関心な人。
秋山勝氏はその中でも、取り巻きの人や無関心の人が許せませんでした。
だから屈するのが悔しくてどんなにいじめられても学校には行きました。
そして元来の「なんで?」という分析する性格を発揮して、「なんで自分はいじめの対象なんだろう」と考えました。
「太っているから?」そう思った秋山勝氏はダイエットして痩せてみました。
「勉強が出来ないから?」そうも思った秋山勝氏は、唯一の友人に相談してその友人の行っている塾の先生がとても良い人だと聞いたので塾にいくことにしました。
それまで成績はオール1でした。
親も高校だけは出ておけと言うので高校受験も踏まえての一大決心でした。
中学3年の1学期のことです。
確かに塾の先生はとても良い人で、秋山勝氏のテストの結果を分析して、英語はもう間に合わないから全部捨てよう。でも国語はちゃんと支離滅裂でない話し方が出来るからがんばろう。
それに数学も数字には強いみたいだからこれも行ける。
そう言われて、指示どおり勉強したら2学期の期末テストで成績が学校で1番になったのです。
テストの答案用紙を返される時はざわつきました。
秋山勝氏はあいうえお順で返されるといつも一番最初です。
今までは0点ばかりでしたから、みんなはその点数を聞いてある意味安心してたわけです。
自分はこの点数よりはマシと思ったのでしょう。
でも、その時の点数は100点と98点。
そりゃあざわつきます。
後で職員室にまで呼ばれて、カンニングを疑われるのですが、座っている席は一番前の先生の真ん前ですから疑いは晴れました。
痩せて、勉強もできるようになっていじめからは解放されました。
自分の事を分析して、改革してみたら大きな変化を起こして、いじめからは解放されたのです。
その後、無事に高校に進学しましたが、大学に進学しようとは思いませんでした。
勉強したいことが無かったから必要だとも思えなくて、大学には行かなかったと秋山勝氏は語っています。
パチプロ生活
高校を卒業したら就職するのかと思いきや、秋山勝氏が選んだ道はパチプロでした。
単にパチンコが好きだったからと秋山勝氏は言っています。
でも、好きだけで簡単にプロになれるわけではありません。
プロとはそれで食っていけることですから。
秋山勝氏がもともと持っている「なんで?」と分析したくなる性格がプロにまで進むことになったようです。
なんで、パチンコは「運」の勝負なのにパチンコ屋は潰れないで経営出来るのか?
何かでコントロールしてるので無ければパチンコ屋は潰れるはず。
なんでだろう?
いろいろデータをとって調べてみました。
すると見えてきたものは、店によっての更新するタイミングだとか、パチンコ台のスペック、さらに法則性もあるようでした。
その後いくつかのパチンコ店の比較もしてみると、今日はこの店が当たりを一番出しそうだとかも検討がついてきました。
でも、絶対ではありません。
それでも負ける時もあるのです。
考えたのはデータ量を増やすことでした。情報を共有して、一人でやるよりも数人でやったほうが、結果的に平均化してリスクを分散させると思ったのです。
すると次に問題となったのは、パチンコというものは「勝ちたい」という気持ちを煽られる、つまり感情を支配されるゲームだと解った事です。
どういうことかと言うと、あともう少しお金をつぎ込めば勝てるかも知れないと思ってしまう訳です。
その「勝ちたい」という気持ちが負けを大きくしてしまうのです。
パチンコで重要なのは「負けない事」でした。これは投資全般にも言えます。
負けなければ、結果的に蓄積されてプラス分が増えていく。
情報も整理して、みんなで共同で投資して分配するマネージメントまでしていました。
そこらへんのサラリーマンより稼いでいたと秋山勝氏は言っています。
ですが、ある日パチンコが面白くなくなっていることに気付きます。
勝つためには感情をコントロールしないといけないのですが、秋山勝氏が好きなパチンコとは感情に身を任せてすることだったと気づいたのです。
つまりパチンコ屋は「今日はぜったい勝つぞ」と思ってお客が来る限りは、お金をつぎ込んでくれるので潰れないわけです。
「今日は負けないぞ」という気持ちでパチンコに行けば損はしないのですが、そもそもそれではパチンコはおもしろくもなんともないゲームだったのですね。
それでパチンコを止めて就職を考えました。23歳の時です。
サラリーマン生活
就職をしようと思った時に、自分の今までの23年間を振り返ってみました。
食べたいだけ食べて太って、勉強したくないから勉強が出来なかったし、パチンコやりたいからパチンコしてきた。
そういう怠惰な自分に決別したいとの思いもありました。
どうせならこの機会に、自分の欲望や主張を抑えられる人間になろうと決心しました。
だから、1年は何があっても我慢して頑張ろうと決めて就職しました。
最初に就職した会社は、「何でもいいから売れ」という商社とは名ばかりの小さな会社でした。
これを売ってこいという商品なんて無いんです。何でもいいから売ってこいと言われても戸惑います。
最初はどうして良いのか分かりませんでしたが、自分の社会生活のリハビリの意味もあるので何しろ我慢して頑張りました。
大変離職率も高い会社でしたが、最終的には檜風呂、焼却炉、それに物ではなくて、運動会の企画まで売りました。
1年は辞めないと決心していたので出来たことです。
朝、会社の入り口のドアノブを回すのに手が震えるほど辛い時期もありましたが、なんとか頑張れました。
そこで学んだことは、出来ないと思ったらそれで終わるんだなということと、人を働かせるには「これを売りなさい」という土台を決めることが必要だと思いました。
次に就職した会社はネットバブルに乗ろうとしていた会社でした。
そこでは物流倉庫の立ち上げの責任者にいきなり抜擢されました。
抜擢の理由は自宅が近いから。
仕事はオーダーが来たCDを出荷させるシステムを作る仕事でした。
でも会社が要求する出荷数を達成するのが大変でした。
ここでも色々と学びました。
仕事の効率を上げる人は「自称綺麗好きという、実はいいかげんな人」だという事。
几帳面すぎる人は、仕事は丁寧でも効率は上がりません。完璧主義の人が副業で稼げないのと同じですね。
ほどほど自分に甘い人のほうが、適度に切り上げて次に進むので一番効率が上がります。
また、その会社でもう一つ学んだことは、会社の経営が厳しくなって人が次々と辞めて行くときにでも、最後まで残ってお客様に迷惑を掛けないように手を尽くす人がいるということです。
その時は起業はまだ考えていませんでしたが、こういう人材と一緒に仕事をするべきだと思ったと秋山勝氏は言っています。
そして3社目がインターネットの広告代理店でした。
上場企業で待遇もまずまずの、幸せなサラリーマン生活だったのですが、営業マンとしても№1の成績も上げることができるようになりました。
燃えていた時期で、もっと会社に貢献したいと思い、事業の提案をしていったのですが、会社は方針に合わないからと実現とはなりません。
新しい事業をするよりも、今の営業マンとしての№1の売上げを会社は維持したかったのです。
でも、自分で先頭に立って営業していたから解ったのです。
自分の提案した事業は絶対儲かるという確信がありました。
今いる会社は将来を見通すことよりも、今の利益しか考えていない。
それなら自分でこの事業をやってみよう。
自分の仕事に自信が持ててきたことも、起業のきっかけになったと秋山勝氏は語っています。
今やらないと、自分に対しての保身のような気持ちにもなりましたし、二人目の子供が授かったということも起業の後押しになりました。
秋山勝ベーシック創立
2004年にベーシック設立
Webマーケティングで世の中のあらゆる問題を解決しますというミッションを掲げ、Webマーケティング事業やメディア事業などを展開しています。
創業以来50を超すサービスを生み出し、またM&Aにおいては10件以上を経験し、実績を重ねてきました。
ベーシック秋山勝の求めている人材は、常に「何で?」と考えられる人だとか。
これは秋山勝氏が、元々「何で?」でここまでこれた人ですからそこは大事ですね。
秋山勝氏にとっての名言といえるもので、疑問を持つことで、見えてくることや答えが出ることは沢山あります。
秋山勝イノベーションの捉え方
世界と日本との違い
世界は近年、未上場の会社でも巨額の投資を受ける事例が増えています。
巨額の投資を受ける企業に共通している点は、社会の既存を破壊して大きな変革をもたらす可能性があるという点です。
GAFA(Google Apple Facebook Amazon)などもそうですが、既存というものを破壊して、大きな変革をもたらした企業は大きな飛躍を遂げています。
既存の破壊から新たなものをもたらすという文化を、特に欧米では歓迎し時には英雄視されます。
ですが、残念ながら日本はその「破壊」して大きな変革をもたらす会社が、最近は出てきていません。
今あるものを守りたいという部分が日本は強いと思われています。
出来れば、今のままを守りつつ少しづつ変化すればいいのではないか。
そんな甘さでは今の時代は生き残れないのにです。
その結果、世界から大きな遅れをとり、取り残される危険が増しているのです。
秋山勝まとめ イノベーションは必ず起きる
最近では、若者の車離れというものがあります。
自家用車が死語になりつつあります。
所有するということの選択肢を若者は捨てつつあります。
借りるもしくは共有する方が、マイカーを持つよりコストも低くてリスクも少ないと考えるのです。
家だって今では、借りる、共有するのがコスト、リスク面、生活環境、価値観の変化などから増えています。
家を買って借金を抱えるリスクよりも、これからはもっと自由に選択できるものが出てくるでしょう。
定住という概念がなくなるかも知れません。
働くこともそうです。
働く側が正社員を望まないことも出てきています。
雇う企業が正社員にするかどうか決める権利を握っていたものが、働く側がその権利を握るようになるのかも知れません。
もしかすると、数年毎にいろんな地域を回って働く人が出てくるのかもしれません。
シェアハウスに住み、シェアカーに乗り、最近では会社に通勤しない仕事も増えてきています。
ライフスタイルも大きく変わるのかも知れません。
価値観がもう違ってきています。家を買うとそこに定住しなければなりません。考えるとそれはリスクの高いことでもあります。
地震や水害などの災害で、その土地の将来に希望が持てなくなったら借金を抱えてどうするのか。
家を持った時のリスクを考えると、高いローンを組んで家を購入するのはどうなのかと考える必要があります。
時代の流れで色々なものが重なってイノベーションが起こり、新しい世界ができあがるのでしょう。
つまり秋山勝氏はユーザーがつねに何を求めているのかを探るのが大事だと言っています。
何を求め、何を重要と考えるのかに常に敏感になっていれば、世の中がどう変わっていくのかが見えてくる。
イノベーションの兆しを上手く捉えて、時代の波に乗り遅れずに生き残りたいものですね。
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