宇野康秀氏が、父から引き継いだUSENは借金が800億円。さらに、その後のリーマンショックでの株価暴落で1100億円の損失と、並大抵の金額では無いピンチを切り抜けてきた宇野康秀氏。いったいどうやって?
USEN宇野康秀氏の名言から成功す秘訣を学びたいと思います。今では、売上目標1兆円で営業利益1000億円という高い目標を掲げています。
宇野康秀と言うと、USEN USEN-NEXT やU-NEXTそれにインテリジェンス(現在のパーソルキャリア)といくつもの会社をやっています。
現在の売上高1440億円で営業利益92億円ですから、10倍近い目標を掲げていますが、期限の設定は無いものの、到達可能であると考える根拠を持っているから掲げているのでしょう。
確かに、個人向けの動画配信サービスも着実に成長しているようですし、また最近力を入れているエネルギー分野も期待されていますから、最近の企業スローガンの「必要とされる次へ」をどう展開していくのか注目するところです。
ヒルズ族では古株の方で、若手起業家のみんなには兄貴と呼ばれ親しまれています。
莫大な借金や負債を抱えても、それを乗り越えて恐れることなく売り上げ目標1兆円を掲げる宇野康秀氏。
そんな宇野康秀氏の名言から不屈の精神を探りたいと思います。
宇野康秀の経歴
1963年8月12日大阪市生まれです。
父親は株式会社大阪有線放送社(現USEN)の創業者です。
小さい時から、「せっかく生まれたからには何かやらないと意味が無い」と生きている意味を考えるような子供でしたから、自然といつかは起業しようと思っていたと宇野康秀氏は語っています。
明治学院大学法学部法律学科を卒業後、起業する前に会社組織を学びたいと考えて、1988年にリクルートコスモス(現在のコスモスイニシア)に新卒で入社しました。
つまり「元リク」と呼ばれるリクルート出身者です。
リクルート出身者の中には、宇野康秀氏を始め、コロプラの千葉功太郎や株式会社マクロミルの杉本哲哉、ネクストの井上高志、リンクアンドモチベーションの小笹芳央、じげんの平尾丈などなど多数の起業家が名を連ねています。
まるで、起業家生産会社みたいで、人を育てる事に重点を置いていて、起業したい人には金銭面での支援もしていたといいます。
1989年には同じくリクルート出身の仲間と人材コンサルティングの会社インテリジェンスを設立します。
バブル崩壊後の企業が人を採らない時代に入っていましたから大変でしたが、それでも2桁成長を続けて、創業から11年目の2000年には、売上げ1000億円、社員数1000名を達成し、上場も果たしました。
社員には「絶対上場させるから頑張ってくれ」と常々言っていました。
そのころ宇野康秀氏は、なんとか責任を果たしてようやくここまで来たという安堵感を感じていました。
宇野康秀が父の事業を継承した理由と大問題
そんな矢先に、父親が余命宣告を受け会社の経営を継いでくれと言われたのです。
実は、インテリジェンスの経営を始めた際に、父親に報告をしに行ったら猛反対され激怒の上、縁を切るとまで言われていたのです。
ですから、疎遠にもなっていましたし、そんな話がくるとは思っていませんでした。
インテリジェンスという会社もあるし、宇野康秀氏はとても悩みましたが、今自分がこうやってこれたのも、父親や父の会社の人たちのお蔭でもあると考えたら断れませんでした。
父が残してくれた会社は大きな問題がいくつかあるが、それを解決すれば、会社が持っている顧客のネットワークは大きな資産になるかも知れないと宇野康秀氏は考えたのです。
問題1.父親の借金が800億円
宇野康秀氏の父が個人で800億円もの連帯保証人になっていて、会社を継ぐというのは、この借金を抱える事でもありました。
インテリジェンスという会社が上場する時だったので、800億円の借金にもなんとか耐えられるかもという見込みで引き受けました。
問題2.電柱無断使用問題
有線放送とは、勝手に独自のケーブルを電柱に張り巡らして直接に線を引き込んで音声放送を届けるというもので、電柱の持ち主の電力会社やNTTの許可をとってはいない使用だったのです。
当然、国からの営業停止命令を受けていましたが、大阪有線は長い間抵抗を続けていました。
大阪有線の社長を継いだ宇野康秀氏は、この電柱無断使用問題を正常化することを最初の仕事として動き出しました。
この問題をそのままにしていては、社員の気持ちがいつも後ろめたくて、堂々と大阪有線に勤めていますと言えない。
社員の子供たちが「うちのお父さんは大阪有線の社員なんだ」と堂々と言えるようにすることは宇野康秀氏にとっては大事な事でした。
古株の社員からは「電柱の使用料を全部払おうなんてしたら会社は潰れる」と猛反対されましたが、宇野康秀氏は諦めず電力会社やNTTと交渉を始めました。
全国の無断使用していた電柱は720万本。
それを全社員が手分けして写真撮影して、それを元に交渉した結果、各社との和解が成立しました。
支払った額は、40年分の使用料として数百億円にも上りました。
でも、その結果第一種通信事業者の免許を取得できたのです。
会社が国に認められた瞬間です。
社員が胸を張って仕事ができるようになったわけです。
この二つの大きな問題をあえて抱えて、2代目の社長の道を選んだ宇野康秀氏は只者では無いですね。
現在ではUSENの事業は、有線放送の他に通信カラオケ事業、店舗レストラン事業、光ブロードバンド事業、動画配信事業と通信ビジネスを活かして躍進中です。
光ファイバーに関しては、早いうちから宇野康秀氏は目を付けて、近い将来インターネットは全て光ファイバー網になると踏んで狙っていました。
しかしソフトバンクが安価なADSLサービスを開始してしまい、そちらにみんなとられてしまうという誤算もありました。
そこで、マンションなどの集合住宅に特化したところ、加入者が大幅に伸びて、光ブロードバンドのシェアは全体の10%まで伸ばしています。
宇野康秀のエネルギー
今、力を入れているのは「エネルギー」です。
USENでんきは東京電力と業務提携しています。
USENが従来より行っていた、飲食店などの店舗への音楽配信のお客様が主なターゲットですが、店舗で掛かっているエネルギーのコスト問題に注目しました。
価格の安いエネルギーを提供できるようにというもので、電気、ガス、エアコンなどを提案しています。
まさにUSENが掲げているスローガンの「必要とされる次へ」なのです。
宇野康秀の名言
独特の事業欲からくる発想と不屈の精神が宇野康秀氏の名言から伝わります。
・変化を加速させる先駆者の役割でありたい。
・会社に人格があるのでなく、チームに人格があり、目標・目的を達成させるために働く、そしてそれを円滑にするための箱が会社。
・私にとって「働く」とは自分の存在意義を確認する事。
・インフラとして「派遣」という流動的に働く仕組みを作っておけば、日本の経済の活性化に繋がるのではないかと考えてインテリジェンスを作りました。
・我々はテクノロジーで戦うのではなく、現実の店舗と向き合ってサービスを提供している。それを武器に戦う。
宇野康秀まとめ
インテリジェンスにUSENにUSEN-NEXTと、3度の上場を果たした経営者は世界中でもそういるものではありません。
ましてや、宇野康秀氏のように経営危機を何度も乗り越えてこれた人もそういないでしょう。
USENの父親の残した借金の800億円もすごい額ですが、リーマンショックの株価暴落での損失の1100億円も普通なら気が遠くなる金額です。
それを宇野康秀氏は、社員に勧められて始めたマラソンや、それが高じてトライアスロンや登山に挑戦することで自分を失わずにここまでこれたと語っています。
サイバーエージェントの藤田晋氏がインテリジェンス出身で、起業する際に出資をしたのも宇野康秀氏です。
その藤田晋氏が経営不振でサイバーエージェントの買収を持ちかけた時に「いらない」といって買収に応じませんでした。
もちろん、簡単に諦めずにもう少し頑張ってみろという意味もあったとは思いますが、どうも宇野康秀氏の事業欲からすると、人の作った会社にはあまり興味が湧かないのかも知れません。
確かに、ヒルズ族だけではなくても「兄貴」と呼びたくなる懐の深さがあるようです。
今、U-NEXTはスーパーフレックスタイムを導入して、自由に働ける会社として若い人に人気です。
自分のスタイルで始業も終業もそれぞれ自分で決定します。
PCを持ち歩けばどこででも仕事ができますから、場所にも時間にも囚われないのは自由でいいですね。
これによって90%の社員が働きやすくなったと言い、70%の社員が効率がアップしたと評価しています。
結果も良い方に出ているのでしたら正解なのでしょう。ただ、この働き方は当たり前ではないので、他の会社に移った時にギャップに苦しむかも知れませんが。
働き方改革などと言われていますが、「変わらないと生き残れない」という意識を持った人だけが生き残れる世の中のようです。
これからは特に周りの変化を意識しつつ、自分はどう変化したら良いのかを、常に考え続けていくことが大切ですね。
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